名古屋市博物館・博物館講座「高蔵1号墳と熱田の古墳」
2023/3/18・名古屋市博物館・瀬川貴文
〇高蔵1号墳
・直径18mの円墳、全長10mの横穴式石室、川原石積み
・昭和25年の調査後、滅失
・文献 楢崎彰一1955「名古屋市熱田区高蔵第1號墳の調査」『名古屋大学文学部研究論集Ⅺ・史学4』、名古屋大学文学部
・7世紀の古墳で多くの副葬品があり、考古学上基準的な古墳となっている
・2つの室からなる石室
・3~4段階の形式により600~650+α年の資料
・銀装太刀は修復され、X線で銀装を確認、銀太刀の出土はそれほど多くないのでそれなりのランクの高さの被葬者
・鉄釘、棺に使われていた、多いのは石棺、または組み合わせ木棺
・人骨が残っていた、少なくとも4体、頭は入り口側
・東北隅に5体目が片づけられた形跡あり、50年以上の間使われていた古墳
・渡来系文化の影響を受けた可能性あり
意義
・川原石積石室は、木曽川中流域(一宮市や可児市など)に多くあり、この地域との交流がうかがえる。次郎兵衛塚1号墳(可児市)、稲荷塚1号墳(可児市)など
・鉄針は、沿岸部の古墳から出土することが多く、海や川に関係する人が関係したと考えられる。
・10mを超える横穴式石室、銀装太刀など、比較的高位の古墳で見られる特徴がある。
〇熱田の古墳
・断夫山古墳
・白鳥古墳
・熱田神宮の馬具
・伊勢山中学校遺跡
〇まとめ
5世紀
・渡来系文化の拠点
・河川、海を介した流通
・流通拠点と聖域化
7世紀
・巨大古墳を造る意味が希薄化
・尾張の古代氏族間の力関係が均衡